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安定同位体とは?・・自然界に存在する天然の追跡用指標

安定同位体は、生態系の研究や地球科学、資源探査において利用されてきました
地球上には、100種類以上の元素が存在します。 そして元素の性質を決める「陽子」は同じですが、「中性子」の数が異なる為、同じ性質を有する原子でありながら重さ(質量)が異なる原子が存在します。 これを「同位体」といいます。 例えば、水素を例にすると、陽子が一つだけの水素、陽子及び1つの中性子をもつ重水素、さらに陽子と中性子2つをもつ3重水素などがあります。 この同位体の中で、不安定で時間が経つと放射能を発して、中性子を放ち、原子番号が変わってゆく、放射性同位体と、安定して存在する安定同位体の2種類があります。例えば窒素を例にすると大気中の窒素の中で¹⁴Nは、99.635%を占め、¹⁴Nより中性子が1つ多く、重い¹⁵Nは、0.365%存在します。

「窒素と一口に言いますが、空気中には、軽い窒素とわずかなが重い窒素が存在しているのです。」

安定同位体は、自然界で一定の割合で安定して存在しています。そして地球上の生物は、これらの同位体を体内に取り込んだ上で、地球上の物質循環の一部を担っています。炭素の場合、植物が光合成により空気中の炭素を取り込み、有機物に変換します。 窒素は、微生物が空気中の窒素を固定したり、生物由来の堆肥が土壌に還元されたり、人間が化学肥料であるアンモニアを大気中の窒素から合成し、これらが土壌施用されたりして、植物体に吸収されます。 水素や酸素は、水として土壌に入り、また植物や動物に吸収されます。 このような過程で、炭素、窒素、酸素、水素は、生物圏に入り、組織を構成します。 そして代謝・排泄や、死後又は捕食されて、再びその元素を別の形態に受け継ぎます。

このような過程を研究する上で、安定同位体は、生物に取り込まれ、組織に組み込まれ、さらに排泄されて対外に出るという一連の過程で、非常に安定しており、かつ化学成分として検出が可能という事から、生態系や地球化学の上で、非常に重要な指標として使われてきました。いわば天然の追跡用の指標のようなものです。 土壌や大気、水から生物に取り込まれ、生物の組織を構成する分子の一部となり、その後、自然界に戻ります。 この一連の過程毎に、安定同位体を計測すればさまざまな生命活動や生物の履歴が明らかになります。